第1回東日本大震災に関する活動助成 審査総評
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東日本大震災に関する活動助成の審査結果について
公益財団法人JR西日本あんしん社会財団
事業審査評価委員会 委員長 白取 健治
東日本大震災によりお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
このかつてない規模での被災者支援が強く要請されている東日本大震災の被害状況に接し、当財団では、民間における公益活動の担い手の一員として、民間の非営利団体が行う被災者の方々への支援・救援活動や心のケア等の活動に対し、少しでもお役に立ちたい一心から緊急に活動助成の公募を実施いたしました。
わずか2週間という短期間での募集にもかかわらず、私達の想定をはるかに超える57件(助成申請総額2,678万円)ものご応募をいただきました。NPO法人やボランティア団体をはじめ、この震災により結成された民間団体など、大変多くの団体の方からご応募をいただき、本当にありがとうございました。
審査においては、「本活動助成の趣旨への適合性」「活動計画の遂行能力」「経費の合理的使用」といった視点を基本に、被災者の方々や被災地の状況を踏まえたうえでの活動の必要性、緊急性や時宜性、そして被災地で活動を行う場合には、過去の災害支援経験等も十分考慮に入れ審査を行いました。
迅速な支援を行っていく必要があることから、1次審査において、まず募集要項に記載の各要件に沿っているかどうかの形式面での審査を行った後、東日本大震災の被災地にボランティア活動及びその支援の為に複数回足を運んでいる矢守克也委員を中心として、申請活動毎に主査1名、副査2名を指定し2次審査を行いました。
事業審査評価委員会では2次審査の結果をもとに助成対象を選定のうえ理事会に答申を行い、最終的には、10件、助成総額495万円(採択率17.5%)が理事会において採択されました。
応募された活動を見ますと、被災地での瓦礫撤去や清掃、炊き出しなどの復旧復興支援に関わる活動から、子供や高齢者をはじめとした被災者の方々のケアや寄り添い活動、被災地で各種支援に携わる方々への支援やフォローを目的とする活動まで多岐に亘りました。また、阪神・淡路大震災等での災害救援や復興支援の経験を活かした、近畿地区を拠点とした各種支援活動もありました。
どの活動も被災地や被災者の方々の現状を受け止め、自分たちができることを探し、精一杯取り組んでいこうという思いが伝わってくる活動ばかりであり、審査選考を進めていくに際しては厳しい選択の連続でした。できることなら、今回ご応募いただきました申請すべてに助成をさせていただき、一日でも早い復旧復興がかなうようそれぞれの活動に取り組んでいただきたいと思うのですが、現時点私達にできる精一杯の範囲内で助成をさせていただくことにしました。
今回ご応募いただいた団体の方をはじめ、日本全国に広がる力強い支援の輪、善意の輪を思えば、必ずやこの未曾有の事態を乗り越えることができるものと実感いたしました。
当財団としては、被災地や被災者の方々が置かれている状況等をしっかりと見据え、中長期的な視点に立ち、今何が必要か、今何ができるかを考え続けていかなければならないと思っております。