第3回東日本大震災に関する活動助成 審査総評
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「第3回東日本大震災に関する活動助成」の審査結果について
公益財団法人JR西日本あんしん社会財団
事業審査評価委員会 委員長 白取 健治
東日本大震災によりお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
このたび、3回目となる東日本大震災に関する活動助成を実施しました。震災から1年以上が経過し、今なお復旧・復興の途上にある被災地は、国、行政はもとより民間団体による支援活動が不可欠な状況にあります。そのような状況を踏まえ、当財団では、近畿圏からの、あるいは近畿圏での被災地・被災者への支援活動を持続していくために、活動助成を継続して行うこととしました。
大変心強いことに、私どもの予想を大幅に上回る56件(助成申請総額2,566万円)の応募をいただきました。これは、震災直後の昨年4月に行った「第1回東日本大震災に関する活動助成」への応募総数57件に匹敵するものです。非常に多くの応募いただき、本当にありがとうございます。
そして、被災地から遠く離れた近畿2府4県において、被災地・被災者のために活動を行っている民間団体の方がこんなにも多くあることに、事業審査評価委員会委員一同、深く敬意を表するとともに、必ずや早期に被災地・被災者の復旧・復興がなされ、社会全体が一体として新たな一歩を踏み出していくことができると強く感じました。
審査においては、「本活動助成の趣旨への適合性」「活動計画の遂行能力」「経費の合理的使用」といった視点を重視し、被災地・被災者の現状を考慮しながら審査を行いました。
過去2回の活動助成と同様に、被災地・被災者が今まさに求めている活動にタイムリーな支援を行うため、可能な限り迅速な審査を心がけました。1次審査において、募集要項記載の各要件に沿っているかどうかという観点で審査を行い、2次審査では、前回同様、自身が東日本大震災の被災地におけるボランティア活動に継続して取り組んでいる渥美公秀委員を中心に、応募案件1件につき主査1名、副査2名の体制で審査を行いました。その後、2次審査の結果をもとに事業審査評価委員会で助成対象案件を選定し、理事長に答申を行いました。
各団体の知識と経験を十二分に発揮し、高い志と強い思いを持つ、きわめて質の高い活動が多数寄せられたことから、各委員の評価は大変拮抗いたしました。委員会としてはできるだけ多くの活動に助成を行いたいとの思いはありましたが、当財団では今後も継続して東日本大震災に関する活動助成を行っていくこと等を考慮し、最終的には予定助成額を超える計12件544万円(採択率21.4%)の案件が理事会において採択されました。
今回の募集では、仮設住宅におけるコミュニティ形成支援や生活再建支援に関する応募が目立ったほか、心身両面で健康被害に苦しむ多くの被災者がいることから、被災地における心身のケアに関する応募も多く寄せられました。
震災から1年以上が経過し、被災地・被災者の実情に合わせ、被災者一人ひとりの顔が見える活動がより求められていくとともに、被災者自身の自立を促進する活動も重要となります。当財団では、今後も継続して東日本大震災に関する活動助成を行っていく予定ですが、その際には、被災地・被災者の現状、そして将来のことをしっかりと見据えた活動の応募を期待しています。
今回助成をさせていただく活動のみならず、残念ながら選ばれなかった活動も含め、被災地・被災者の復興の礎となることを心より願っています。